「クレアチンってサプリメントが筋トレに効果的って聞いたけど本当かな?」
今回はそんな筋トレに関するサプリメントの1つ、クレアチンについて詳しく解説していきます。
結論から言うと、クレアチンは摂取することで効果が得られることを、高いエビデンスレベルで保証されたサプリメントの1つです。
この記事ではクレアチンの作用や摂取することで得られる効果、副作用の有無やどの種類のクレアチンを選べば良いのかについても説明します。
筋トレにおいてクレアチンが効果的である3つの理由
クレアチンをサプリメントで摂取することが効果的な理由については、主に3つあります。
- クレアチンは体内でATP生成のために利用されるから
- クレアチンはクレアチニンに代謝されて少しずつ減少することが分かっているから
- クレアチンを食品から必要量摂取するのは困難だから
以上の理由はクレアチンの体内における働きにも関わってくる部分なので、クレアチンがどういう物質なのかについてと合わせて解説します。
筋トレとクレアチン①:ATP生成
私たちが筋肉を動かす際、当然ですが動かすためのエネルギーを筋肉は必要とします。
そのエネルギーがATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質なのですが、筋肉内に貯蔵されているATPだけだど、筋肉は1~2秒程度しか動かすことが出来ません。
なので筋トレのような無酸素運動下においては、ATPを使用すると同時に、ATPを生成するための2つの経路が働くのです。
その経路とは
- 解糖系:グルコース(糖質)からATPを生成する経路
- ATP-CP系:クレアチンからATPを生成する経路
の2つになります。
上記の通り、解糖系ではグルコースが、ATP-CP系ではクレアチンがそれぞれATP生成のためのエネルギーとして使われます。
なので、グルコースとクレアチンが不足しているとATP生成がうまく行かず、筋トレのパフォーマンスが低下してしまうということです。
逆を言うと、クレアチンが体内に十分存在していれば、それだけで筋トレのパフォーマンスが向上するという訳でもあるのです。
これこそがクレアチンをサプリメントで摂取する最大のメリットです。
筋トレとクレアチン②:クレアチンの排出
クレアチンは人間の体には80g~130gほどの量が貯蔵されていると言われています。
また、そのうちの約9割が骨格筋内に存在しています。
クレアチンは体内でクレアチニンという物質に代謝されることが知られており、このクレアチニンの形で、クレアチニンは1日あたり1g~3gの量が体外に排出されているのです。
筋トレとクレアチン③:クレアチンの含まれる食品
一応クレアチンはアルギニン・グリシン・メチオニンの、3種類のアミノ酸から作られるのですが、その生成量は体外に排出される量の約半分程度です。
ちなみにクレアチンは、肉や魚といった食品の中にも含まれてます。
が、肉や魚には1kgあたり3g~7g程度しかクレアチンは含まれていないので、必要量を摂取するためには毎日かなりの量の肉と魚を食べなくてはいけません。
そういう意味で、栄養補助としてサプリメントからクレアチンを摂取する意味というのは十分にあると言えますね。
クレアチンに関する様々なエビデンス
ここで補足的に、いくつかのクレアチンに関する研究についてもご紹介しておきます。
最も有名なのが、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が発表した、こちらのレビューでしょう。
このレビューではクレアチンに関する様々な研究結果を総合的に分析した結果、クレアチンはエルゴジェニック効果(スポーツにおけるパフォーマンス向上効果)があることが示されている数少ない栄養補助食品の1つであると、結論付けています。
他にもこのレビューの中ではクレアチンの効果として、
- 筋トレのパフォーマンスを向上させる
- グリコーゲンの回復をサポートする
- 筋損傷からの回復を促す
- 神経変性疾患、虚血性心疾患、老化に対しても効果がある
といったものがあるとも書かれています。
またクレアチンが上半身と下半身のどちらの筋肉にも効果があるかどうかをメタ分析した論文によると、どちらの分析においても確実な筋力UPの効果が確認されています。
クレアチンの摂取方法について
クレアチンの様々な効果や働きについて理解できたところで、次に実際にどのような形で摂取すると効果的なのかについて見て行きます。
クレアチンにローディンは必要?
まず基本的な考え方として、一日に排出される量以上のクレアチンを毎日摂取すれば、いずれ体内のクレアチンレベルは最大限にまで高まります。
その上で、クレアチンの摂取方法としてはよく、ローディング法というものが取り上げられます。
これはどういうやり方かというと、
- 1回あたり5g程度のクレアチンを1日4回の計20g摂取する
- その摂取量を5日~7日間継続する
- その後は1日あたり5g程度にまで減らす
といった方法になります。
このローディング法を用いれば、短期間で体内のクレアチンレベルを最大値まで持っていくことが可能と言われています。
が、クレアチンの大量摂取による副作用などは、まだほとんど研究が進んでいないという事実もあるのです。
それに1日あたり5g程度の摂取を継続していれば3~4週間で確実にクレアチンレベルは最大値まで高まることが分かっているので、できれば1日5gの摂取を継続するやり方の方をおすすめします。
クレアチンの種類について
クレアチンのサプリメントについてなのですが、これは様々な形態で販売されているのをよく見かけます。
ですが基本的には、クレアチンモノハイドレートという形態のサプリメントを購入するようにしましょう。
何故なら、クレアチンに関する研究のほとんどは、このクレアチンモノハイドレートを対象にして行われているからです。
通常クレアチンは水に溶けにくいという性質を持っているため、クレアチンを例えばクエン酸などに結合させて水に溶けやすくした、クレアチンクエン酸といった形態のものも存在しています。
ただ、これらは1回あたりのクレアチンの含有量が相対的に減少してしまう為、結果的にクレアチンモノハイドレートの商品を購入するよりも割高となってしまうのです。
しかも多くの研究において、クレアチンモノハイドレート以上に効果的なクレアチンの形態は存在しないことも分かっています。
ということで、コスパ・効果の観点からも、クレアチンモノハイドレートの商品、特にクレアピュアという記載のあるものであれば一定以上の品質は担保されているので、まず外れはありませんよ。
余談ですが、クレアチン系サプリメントの中で、クレアルカリンという形態のものは特に人気が高いサプリメントの1つです。
が、クレアチンモノハイドレートとクレアルカリンの効果を比較した研究というのがあるのですが、これよるとクレアチンモノハイドレートとクレアルカリンの効果に差はほとんどないとのことでした。
ただしこの研究は、クレアピュアを開発したドイツ・トロストベルクのアルツケム社の提供によって行われた研究であることを念頭に入れる必要がありますが。
その事を踏まえた上でも、クレアチンモノハイドレートとクレアルカリンのどちらがおすすめかと言えば、コスパと安全性の面でモノハイドレートの方をオススメします。
クレアチンの副作用
最後にクレアチンの副作用についてですが、上記のISSNのレビューにおいても、クレアチンに副作用は現段階では確認されていないと結論付けています。
しいていうなら、クレアチンには水分を引き込む作用があるので、その水分量だけ体重が増加してしまうくらいでしょうか。
あとはクレアチンをサプリメントとして定期的に摂取していると、よく健康診断などでもチェックされるクレアチニン値が高まることがあります。
ただし、その上昇量は十分許容範囲内ですし「クレアチニン値が上昇した=腎機能に障害が起こった」と解釈する必要もありませんので、ご安心ください。
最大5年間にわたってクレアチンを摂取した場合の影響を調査した研究もありますが、腎機能にはなんら悪影響は見られなかったとも結論付けられておりますので。
さいごに
以上が筋トレにおいて確実に効果があるとされるサプリメント、クレアチンに関する解説でした。
初心者・上級者関係なく効果を発揮するサプリメントなので、プロテインやビタミン・ミネラル以外のサプリメントを試してみたいと考えている方は、ぜひクレアチンを取り入れてみてはいかがでしょうか。