「筋トレを始めてから肌荒れするようになったんだけど、なにが原因なんだろう?」
今回はそんなお悩みを抱えた方向けの記事になります。
筋トレによる肌荒れの原因としては、トレーニングや食生活の変化による影響で、体に必要な栄養素が不足してしまったことが考えられます。
筋トレは基本的には体を健康にするのですが、正しいトレーニングと正しい栄養の摂取をしないと、体がダメージを受けてしまう場合があるのです。
なので以下より、ニキビなどの肌荒れの原因とその解決法について詳しく解説していきます。
なぜ筋トレが肌荒れの原因となるのか
主に考えられる原因は、こちらの4つです。
- ビタミンの不足
- 活性酸素の発生
- 肝機能の低下
- 腸内環境の悪化
それぞれ詳しく見て行きましょう。
筋トレと肌荒れの原因①:ビタミンの不足
ビタミンが不足するとニキビが出来きやすくなるというのは良く聞く話ですが、特に食生活は変わっていないのに、何故か筋トレを始めてからニキビが出来やすくなったという場合は、ビタミンB5(パントテン酸)の不足が考えられます。
ちなみにパントテン酸は体内でも合成出来るので、厳密に言えばビタミンではないのですが。
パントテン酸は体内ではおもに補酵素A(CoA)の構成成分となります。
このCoAはどのようなはたらきを持っているのかというと、体内における様々な代謝活動を助ける働きを持っているのです。
例えば、脂質がエネルギーとして消費されるβ酸化という過程においてもCoAは必要となってきます。
なので、パントテン酸の不足は体内における脂質代謝に異常をきたしてしまうので、それが原因でニキビが発生するなんてことも十分にあり得ます。
他にもパントテン酸は、体がストレスを感じた時にそのストレスに対抗するために作られる、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が分泌する時にも必要とされます。
逆に言えばパントテン酸の不足はストレスへの抵抗性が弱まるということでもあるのです。
さて、最初にパントテン酸は通常体内で合成することが出来るとお話ししましたが、実は筋トレなどのハードなトレーニングをしている場合、パントテン酸の合成が必要量に追い付かなくなってしまう場合があるのです。
他にもアルコールやカフェインの摂取が原因でパントテン酸が不足するケースというのもあります。
なので筋トレを始めてからニキビが出来るようになった場合は、パントテン酸をサプリメントとして体外から摂取することで肌荒れが改善する可能性が高いです。
具体的な量としては、一日に2.2gのパントテン酸を12週間にわたって摂取した実験では、特に副作用なくニキビが改善したという報告も存在します。
なので一日に1000mg~2000mg前後を目安に摂取してみて、ニキビの治りが早まるかどうかを観察してみましょう。
筋トレと肌荒れの原因②:活性酸素(フリーラジカル)
実は筋トレを行うと、体内において活性酸素(フリーラジカル)が増えて、体が酸性に傾く事が知られています。
そもそも活性酸素とは何なのかというと、簡単に説明すると体のあちこちで悪さを働き、体にダメージを与えてくる物質のことを言います。
一説によるとこの活性酸素のはたらきによって老化が引き起こされたり、ガンをはじめとする重大な疾病を引き起こす原因になっているのではないかとも考えられているのです。
もちろん、軽度な症状でいうと肌荒れも、活性酸素によって引き起こされるダメージの1つですね。
そんな恐ろしい活性酸素を防ぐためには、体外から様々な抗酸化物質を摂取する必要があります。
例を挙げると下記のようなものとなります。
- αリポ酸
- CoQ10
- ビタミンC・E
- ポリフェノール
詳しくはそれぞれ個別の記事で解説しておりますので、そちらを参照ください。
摂取量や摂取方法、副作用についても書いてありますので。
>>【筋トレ&ダイエット】αリポ酸の飲み方を徹底解説します【おすすめ4選】
>>筋トレする人も知っておきたいCoQ10の効果とは【摂取目安量もご紹介】
>>【完全保存版】筋トレする人向け!必要なビタミン摂取量をまとめてみた【栄養素表示基準値とは違う】
ポリフェノールについては赤ワインなどが有名ですが、アルコールの副作用のことも考えると、どうせ摂取するのであればベリー類をおすすめします。
こちらの方がより豊富な栄養を摂取することが出来ますので。
筋トレと肌荒れの原因③:肝機能の低下
肝臓は三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)のすべてを代謝したり、筋肉を動かすエネルギーとなるグルコースを乳酸から生成する機能なども担っています。
なので筋トレによって激しくエネルギーを消費・生成していると、肝臓が疲労してしまい、それが原因となって肌荒れが発生してしまう恐れがあるのです。
特にトレーニングに加えてアルコールもよく摂取するという人は、より肝臓を酷使してしまっていると言えます。
それを防ぐにためは、肝機能を回復する作用のあるN-アセチル-システイン(NAC)の摂取をおすすめします。
システインには抗酸化作用があることも知られており、1日600mg×2回の摂取を30日に渡って継続する事で、体内の抗酸化作用が向上したという研究も存在しています。
他にはシリマリンというハーブ由来のサプリメントも、肝機能回復には効果的です。
筋トレと肌荒れの原因④:腸内環境の悪化
これはトレーニングが直接の原因というよりは、筋肉をつけるためにタンパク質を多く摂るようになった際に起こりうるケースです。タンパク質の過剰摂取状態ということですね。
今までタンパク質を多く摂ってこなかった人が急にタンパク質多めの食生活に変えたり、ホエイプロテインを摂取するようになると、腸内の細菌バランスが崩れ、それが原因で体の不調を引き起こす場合があるのです。
腸内の細菌バランスが崩れることにより、老廃物となってしまったたんぱく質を上手に排出できず、ニキビなどになって体の表面に現れ、肌荒れを引き起こす原因になります。
ニキビだけではなく、お腹の膨張感やガスの大量発生などの症状も同時に起こる場合は、腸内環境の乱れを疑った方が良いですね。
そしてその際は、プロバイオティクスとよばれる腸内細菌と、イヌリンなどの腸内細菌のエサになる水溶性食物繊維を摂取することで、腸内環境が改善してくれます。
ただし、速効性のあるサプリというよりは、腸内環境は徐々に変化に対応して慣れてくるものなので、不調が改善するまで根気よく継続するようにしましょう。
さいごに
以上が筋トレと肌荒れの原因についての解説でした。
女性の場合は上記に加えて、筋トレによる男性ホルモン(テストステロン)の増加によるホルモンバランスの乱れというのも考えられます。
その場合は女性ホルモンと同じような働きをもつと言われるイソフラボンを多く含んだソイプロテインを、通常のプロテインに替えるか混ぜて飲むようにしてみましょう。