やみくもにタンパク質を摂るだけでは意味がない!?必須アミノ酸について解説

皆さんはトレーニング系の動画や、プロテインなどのサプリメントを見ている時に「良質なタンパク質」という単語を見たり聞いたりしたことはありませんか?

「良質なタンパク質があるって事はそうじゃないタンパク質も存在するの?」とか「良質なタンパク質を摂る事でどんなメリットがあるの?」という疑問も生まれるのではないでしょうか。

なので今回はタンパク質について、もっと詳しく言うとそれが分解されることによって生まれる「アミノ酸」にフォーカスを当てて説明していきます。

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必須アミノ酸と非必須アミノ酸について

まずはアミノ酸について説明していきます。

私たちの体もタンパク質で作られている訳なのですが、その体のタンパク質を形成する“アミノ酸”には20の種類があります。

その中でもさらに9種類の「必須アミノ酸」と11種類の「非必須アミノ酸」の2つに大きく分類されます。

これらを分ける条件は“体内で生成されるか“どうかです。

「非必須アミノ酸」は体内で生成されるのに対して「必須アミノ酸」は体内では生成されないので、体外から摂取する必要があります。

その摂取する主な方法が食事という訳です。

良質なタンパク質の条件 アミノ酸スコアとは?

そして次に、“良質なタンパク質”の条件とは何かと言うと、それは「アミノ酸スコアが高いタンパク質」の事を言います。

ではそのアミノ酸スコアとは何かというと、先ほどお話しした“必須アミノ酸がどれだけバランスよく含まれているか”を表す数値になるのです。

必須アミノ酸には「イソロイシン」「ロイシン」「リジン」「バリン」「含流アミノ酸(メチオニン+シスチン)」「芳香族アミノ酸(フェニルアラニン+チロシン)」「トレオニン」「トリプトファン」「バリン」「ヒスチジン」の9種類があり、それぞれの必要量は下記の表にまとめられています。

https://www.ajinomoto.co.jp/amino/chikara/kenkou.html より引用

私たちの体を作る筋肉や髪の毛、爪や皮膚、骨などはタンパク質が材料として使われます。

そしてそのタンパク質が作られるのに欠かせないのが20種類のアミノ酸であり、逆に言えばこの20種類の内1つでも欠けていたら、タンパク質は作られないという事なのです。

だからこそ、食品の中にどれだけ必須アミノ酸が含まれているのかを知る事が非常に重要であり、それが一目で分かるのがこのアミノ酸スコアなのです。

アミノ酸スコアが高い食品

代表的な食品のアミノ酸スコアは下記の表に書かれています。

http://cp.glico.jp/powerpro/amino-acid/entry37/ より引用

アミノ酸スコアが“100”というのが、必要なアミノ酸が全て含まれている事を表しており、逆に言うと100よりも小さければ小さいほど、何らかのアミノ酸が不足している事が分かります。

たとえば“白米”にもタンパク質は含まれているのですが、ご覧のように白米のアミノ酸スコアは61です。

仮に白米からのみタンパク質を摂取しようとすると、必須アミノ酸をまんべんなく摂取する事が出来ていないので、いつまでたっても筋肉は付かないという事になります。

だからこそ、バランスの良い食事というのが大切なのです。

不足している必須アミノ酸は他のものから補える

先ほどバランスの良い食事が大切と言いましたが、実はこれを上手く利用する事でアミノ酸スコアの低い食べ物からでもきちんと栄養を摂取する事が可能になるのです。

例えば先ほど例に挙げた白米ですが、特に不足しているアミノ酸は「リジン」なのですが、これを豊富に含んでいる「鶏肉」を同時に摂取するとどうなるのか。

結論から言うと、白米のアミノ酸スコアが限りなく100に近づくのです。

これはなぜかというと、鶏肉が白米に不足しているアミノ酸分を補ってくれるからです。

いくら鶏肉や魚がアミノ酸スコアが良いからといって、それだけを食べていたら必要な栄養素は摂取出来ません。

しかし、アミノ酸スコアを意識した上でさらにバランスの良い食事を心がける事によって、摂取した栄養の効果を最大化させる事も可能になるのです。

EAAとBCAAってなに?

ちなみにサプリメントで最近“EAA”や“BCAA”といったものを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実はこれらはそれぞれ「EAA=必須アミノ酸」「BCAA=バリン・ロイシン・イソロイシン」の事を指しているのです。

BCAAは分岐鎖アミノ酸と呼ばれるもので、必須アミノ酸の中でもこの3種類は特に多くを必要され事から重要な3種類であると考えられています。

さらにはこの3種類のうちのひとつであるロイシンには筋肉の合成を促す作用がある事も分かっており、そういった理由からもBCAAは良く飲まれています。

ただし、このBCAAの完全上位互換ともいえるのがEAAなのです。

何故ならBCAAが必須アミノ酸の中の3種類しか含まれていないのに対して、EAAは9種類の必須アミノ酸全てが含まれているからです。

必須アミノ酸は先ほどからも説明している通り、9種類全てがそろっていなければ意味がありません。

例えばそれぞれの必須アミノ酸で必要な量を「100」であるとして、8種類全てが「100」であるのに、残り1種類だけが「50」だったとするとどうなるかと言うと、他の8種類も「50」摂取しただけと同じ効果しか発揮出来なくなるのです。

だからこそ、いくら重要なアミノ酸がピックアップされているからと言ってEAAよりもBCAAを選ぶ理由というのは、金銭面の理由以外では存在しないというのが実情です。

まとめ

良質なタンパク質という表現は、よくプロテインの説明文などでも使われていますが、これは言い換えれば「アミノ酸スコアが100である」という事なのです。

プロテインの成分表などが書かれてある裏面を見て見れば、どこかにアミノ酸スコアが記載されていると思います。

食品に含まれているタンパク質を全て一括りにして考えるのではなく、必要なものを必要なだけ摂取するよう、よりバランスの良い食事を心がけるようにしてみて下さい。

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