こんにちは、筋トレ栄養マニアのかしろ(@kashiro_kona)です。
みなさんはケトジェニックダイエットというダイエット方法をご存じでしょうか。
これは、ケトーシスという体が糖質ではなく脂質をエネルギーとして使用する状態に移行することで、体脂肪を減少させるダイエット方法のことをいいます。
詳しくはケトジェニックダイエットについて解説した正しいケトジェニックダイエットは筋トレの効果を落としません【ポイントを解説】という記事をご覧ください。
さて、そんなケトジェニックダイエットにおいて何より重要なのが、いかにして体をケトーシスに変化させるか、です。
ケトーシスに入るまでは糖質を制限することで、糖新生という体の機能が主にはたらきます。
が、糖新生を長く続けていると様々なデメリットを引き起こしてしまうので、できるだけ早くケトーシスに入れるかどうかが、ケトジェニックダイエット成功のカギを握っているのです。
という訳で今回は、ケトジェニックダイエットにおいて爆速でケトーシスに入る方法について解説していきます。
方法にもよりますが、最短1日~3日もあれば多くの人はケトーシスに入れるようになりますよ。
ケトジェニックダイエットとは
まずは改めて、ケトジェニックダイエットのやり方を簡単にご説明します。
ポイントは下記の3点。
- 糖質の摂取量を総カロリーの10%以下(50g以下)にまで制限する
- 総カロリーの60%を脂質から摂取する
- 残りをタンパク質から摂取する
糖質を極端に抑えることからよく、スーパー糖質制限という表現をされることもありますが、一般的な糖質制限とは大きく異なる部分があります。
それは、脂質を大量に摂取することです。
総カロリーの60%ということは、2000kcalを一日で摂取する場合は1200kcalもの脂質を摂らなければいけないということです。
これだけの量の脂質は意識しないとまず摂取することは出来ません。
ではなぜこんなにも大量の脂質を摂取しないといけないのでしょうか。
それは、ケトジェニックダイエットはケトーシスという仕組みを利用してやせるダイエット方法だからです。
先ほどもご説明した通り、ケトーシスとは体が糖質ではなくて脂質をエネルギーとして活動する状態のことを言います。
ケトーシスに入ると摂取した脂質はすべて体を動かすためのエネルギーとして使われますし、体の中に存在する体脂肪もどんどんと分解されていきます。
だからこそ、ケトジェニックダイエットをする上で、どうすればケトーシスに移行出来るかを知っておくことは、非常に大切になってきます。
ケトーシスに入れないデメリット
続いて知っておいて欲しいのが、ケトーシスに入れないことによるデメリットについてです。
おもに下記の4点が挙げられます。
- 筋肉が減少しリバウンドしやすくなる
- インスリンの分泌量とインスリン感受性が低下する
- 低血糖症状が引き起こされる
- グリコーゲンが枯渇して筋トレのパフォーマンスが低下する
実はこれ、すべて糖質制限のデメリットと同じなんです。
なぜならケトーシスに入るまでは、糖新生の仕組みの方が先に活性化するからです。
糖質制限はおもに、糖新生という体の仕組みを利用してやせるダイエット方法になります。
糖新生とは、体を動かすエネルギー(糖質)が不足しているので、タンパク質と脂肪を分解して、体内で新たなエネルギーを作り出そうとする働きのことをいいます。
なので糖新生がはたらくと脂肪だけではなく筋肉も分解されてエネルギーとして使われてしますのです。
さらにはインスリンの分泌量と感受性が低下し、低血糖症状(空腹・冷や汗・動悸・手の震え)までもを引き起こしかねません。
ちなみにこのあたりの内容はケトジェニックと糖質制限の違いを知っていますか?【徹底解説】という記事でも詳しく解説しております。
だからこそ、いちはやく糖新生の状態を抜け出して、ケトーシスに入れるような工夫をする必要があります。
ケトーシスに爆速で入る方法
ではここからは、実際に爆速でケトーシスに入る方法をいくつかご紹介していきます。
爆速ケトーシス法①:ケトン体の材料編
ケトーシスに入ると、体は肝臓において脂肪酸をケトン体へと変換させます。
なぜなら脂肪(脂肪酸)はそのままの状態ではエネルギーとして使うことが出来ないからです。
なので逆を言えば、ケトン体の材料となるものを多く摂取すれば、ケトン体が作られやすくなるので、ケトーシスにも入りやすくなるということです。
ケトン体の材料となるのは、具体的には下記となります。
- MCTオイル
- EAA(or BCAA)
- BHB
ケトン体の材料:MCTオイル
なんども言うように脂質はケトン体のメインの材料となります。
なのでたくさんの量を摂取するのも大切なのですが、その中でもMCTオイル(中鎖脂肪酸)はその他の脂質と比べて10倍もケトン体を作り出しやすいという性質を備えています。
MCTオイルは他にも、脂肪減少効果が高いことも知られていますので、ケトジェニックダイエット導入期は一日50gのMCTオイルを摂取するようにしましょう。
ただし、非常に消化吸収されるスピードが速いので、一気に飲むと下痢をしてしまう可能性があります。
その場合は一回あたり5g~6g程度に抑えて小分けに摂取するようにしましょう。
ケトン体の材料:EAA(or BCAA)
実はアミノ酸の一部もケトン体の材料として使われます。
具体的にはロイシンとリジンというアミノ酸であり、両方とも筋肉を作る際の材料となる必須アミノ酸に数えられます。
>>やみくもにタンパク質を摂るだけでは意味がない!?必須アミノ酸について解説
そしてそんなロイシンとリジンが豊富に含まれているサプリメントというのがEAAなのです。
EAAは他にも、筋トレの最中に摂取する事で筋肉の合成を高め、同時に筋肉の分解を抑える効果も期待出来ますので、トレーニングをする人は持っておいても損はありませんよ。
また、BCAAというサプリメントにも、リジンは含まれていませんがロイシンは豊富に含まれていますので、こちらでも代用は可能です。
どちらか一方をすでに持っているよという方は、そちらを使用してOKです。
摂取量はBCAAもEAAもどちらとも、一日20g程度で構いません。
ただし、1つ気を付けないといけない点があります。
それは、EAAを摂取する間はタンパク質の摂取を控えることです。
ちなみにこれはケトジェニックダイエット導入期のみに限ります。
理由としては、タンパク質を構成するロイシンとリジン以外のアミノ酸はほとんどが、糖新生の材料として使われるからです。
いくらケトン体の材料を摂取しても、糖新生の材料も豊富に存在していてはなかなかケトーシスには入りませんからね。
ケトン体の材料:BHB
BHB(βヒドロキシ酪酸)は、実はケトン体の材料ではありません。
ケトン体そのものが、BHBなのです。
なのでBHBをサプリメントとして摂取すると、かなり素早くケトーシスに入ることが出来ます。
サプリメント代はかかりますが、裏技的なやり方ですね。
摂取量は、製品に書かれてある一回分を朝晩1回ずつ摂るようにしましょう。
爆速ケトーシス法②:グルコース編
ケトーシスに入るには、体内においてグルコース(糖質)が枯渇した状態を一気に作りだす必要があります。
なので次に紹介する方法は、いかにしてグルコースを枯渇させるかに主眼を置いたものとなります。
- αリポ酸やクロムを摂取する
- ハードなトレーニングを行う
- 摂取する糖質をほぼ0にする
グルコースを枯渇させるために:αリポ酸&クロム
グルコースを枯渇させるには、インスリンの分泌量を増やし、急激に血糖値を下げるという方法があります。
そこでおすすめなのが、αリポ酸とクロムのサプリメントです。
この2つとも、体内のインスリン感受性を高めるという特徴を持ちます。
インスリン感受性とは簡単に説明すると、細胞が糖質を取り込む能力のことを言います。
つまりインスリン感受性が高まると、血液を流れる糖質をきちんと体が吸収してくれるようになるので、インスリンの分泌に応じて血糖値をきちんと下げてくれるようになります。
なのでこれらのサプリメントを、ケトジェニックダイエット導入期は毎食後に飲むようにすると良いです。
特にαリポ酸には高い抗酸化能力もあります。
ケトン体が発生すると体は酸性に傾いてしまいますが、それを防止してくれる働きも期待できるようになります。
導入期のみならず、ケトジェニックダイエット中はαリポ酸を常に摂取するようにしましょう。
グルコースを枯渇させるために:ハードなトレーニング
ある意味一番シンプルな方法ですね。
筋肉を動かすためには当然筋肉の中に貯蔵されたグルコースが使われます。
なのでそれを全て使い切ってしまえば、体は新たなエネルギーを生み出すように働いてくれます。
運動としては有酸素運動よりは、無酸素運動の方がおすすめです。
なので筋トレを利用したサーキットトレーニングなんかをすると良いです。
サーキットトレーニングとは、各部位の種目を連続して一気に行うというやり方になります。
ただ、注意すべきなのは、グルコースが枯渇すると体は当然低血糖状態に陥ります。
その状態でハードなトレーニングを継続すると倒れてしまう危険性がありますので、くれぐれも無理は禁物です。
グルコースを枯渇させるために:摂取する糖質をほぼ0にする
糖質制限ダイエットではたまに、摂取する糖質の量を徐々に減らしていくやり方を勧めている場合も見受けられますが、ケトジェニックダイエットではそれは止めましょう。
ケトジェニックダイエット導入期は、一気に摂取する糖質を0に近づけて下さい。
ご飯や麺類、パンなどはともかくとして、調味料や野菜から摂る糖質にすら気を配ってください。
そうしないといつまで経ってもグルコースが枯渇せず、ケトーシスには入れませんので。
逆に一度ケトーシスに入ってしまえば50g程度にまで糖質の摂取量をあげてもOKです。
爆速ケトーシス法③:その他編
さいごに、その他おすすめな方法をいくつかご紹介しておきます。
- カフェインを摂取する
- 断食やVLCDを取り入れる
その他のやり方:カフェインを摂取する
実は、カフェインを摂取することでより素早くケトーシスに入ることができるようになります。
とある研究において、体重1kgあたり2.5mg~4mgのカフェインを85gの炭水化物と一緒に摂取しても、食後4時間後の体内ケトン体のレベルが高いまま維持されていたという報告もあります。
なのでケトジェニックダイエット導入期では、コーヒーにMCTオイルを溶かして摂取すると、より効率よくケトーシスに入ることができるようになります。
合わせてカフェイン錠剤なんかも利用すると、さらに効率が良いです。
その他のやり方:断食やVLCDを取り入れる
実は体は飢餓状態に陥ると、ケトン体を利用するケトーシスの状態に移行することが分かっています。
なのでその状態をあえて作り出し、素早くケトーシスに入ってしまおうという荒業がこちらの方法になります。
断食の場合、期間は1日程度でOKです。
VLCD(ベリーローカロリーダイエット)の場合は1日~3日程度、様子を見ながら続けてみて下さい。
ちなみにVLCDがなんなのか分からない方は【VLCD】夏までに痩せる最後の手段!1週間で6.8kg痩せるダイエット法とは?という記事をご覧ください。
ただ断食とVLCDの場合、低血糖症状と糖新生も同時に引き起こしてしまいますので、あまりおすすめはしません。
他の方法を試したがどうしてもケトーシスに入らないという方だけが試してみることをオススメします。
さいごに
以上が爆速でケトーシスに入るための方法でした。
基本的には、
- 糖質を0にする
- MCTオイルを摂取する
- コーヒーを飲んでおく
以上の3点を抑えておけば問題なく早い人なら1日で、そうでない方も3日もあればケトーシスに移行してくれるようになります。
ケトジェニックダイエットを始めてみたはいいものの、なかなかケトーシスに入らなくて低血糖症状に悩まされているという方は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみて下さい。