カラダの筋肉を大きくするためには、トレーニングと同じくらい食生活が大切という事はこのブログでも何度も取り上げてきました。トレーニングで筋肉を損傷させた後、食事や睡眠で回復させてることで初めて1回の筋トレが完結する、ということですね。
筋トレと食事の基本から知りたい方は、まずこちらのページからご覧ください。
では、運動後にとるべき最も効果的な食事とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
結論から言うと、気を付けるべきポイントは以下の2点です。
- 筋トレ後、3時間以内の食事が最も重要
- 食事内容は高タンパク・高糖質の食事を
以下より、詳しく解説していきます。
筋トレ後3時間以内の食事が重要な理由
まずはそもそも、なぜ筋トレ後の食事が重要なのかを説明します。
トレーニング中の時点から筋分解が起こっている
筋トレをすることで筋肉が付くというのは間違いないのですが、実はトレーニング自体は、筋肉を分解する作用を引き起こしてしまうのです。
カラダは一体どういう状態になっているでしょうか。
筋トレを行うと筋肉は大量のエネルギーを消費します。
そのエネルギーを生成する際にはグリコーゲンという糖を分解して生成されるエネルギー源が必要なのですが、体内に貯蔵しておけるグリコーゲンには限りがあります。
そして貯蔵されていたグリコーゲンが全て消費されると、体は脂肪や筋肉を分解してまで、そのグリコーゲンを生成しようとし始めるのです。
そうやって筋肉が分解されないようにきちんと修復するためにも、筋トレ後の食事、つまりは栄養補給が重要になってくるのです。
上記の通り、筋分解はトレーニング後ではなく、トレーニング中から発生しています。
なのでトレーニング中もワークアウトドリンクを飲むことで、水分と共に吸収されやすい糖分やアミノ酸を補給する事が重要になります。
食事の役割も筋トレの一部と思っておきましょう。
筋トレ後の3時間はインスリン感受性が高まっている
体には、摂り込んだ栄養を体の各部位に運ぶはたらきを活性化する物質が存在しています。
それがインスリンです。
インスリンはすい臓にあるランゲルハンス島から、血糖値の上昇とともに分泌され、血液中の糖分を体の各部位へと運ぶはたらきを活性化させます。
多くの人が一度は耳にしたことのある糖尿病というのは、このインスリンがうまく働かなくなってしまい、血液中の糖がいつまでたっても運ばれない症状のことを指します。
このインスリンは、通常「筋肉→肝臓→脂肪」の順番で、栄養を各部位に届けて行きます。
なので筋肉が増えると太りにくくなるというのは、代謝が増えるからというだけではなく、脂肪に運ばれる栄養が少なくなるというのも、その理由の1つなのです。
そして、この筋肉が糖を引き込む作用というのが、通常時よりもさらに高まる瞬間というのが存在します。
それが、筋トレを行っている時の状態なのです。
筋トレを行うと、筋肉が物理的に収縮したり、ATPというエネルギーが大量に使われることを引き金として、筋肉の栄養を引き込もうとする力が強くなります。
ちなみにこの栄養を引き込もうとする力のことを、インスリン感受性とも言います。
この筋肉のインスリン感受性が高まっているタイミングであれば、大量の栄養を摂り込んでもその多くは筋肉に運ばれるので、結果として筋肥大を促進することにも繋がります。
そして筋トレによるインスリン感受性の高まりは、トレーニング後3時間は持続します。
だからこそ、筋トレ後、3時間以内の食事が非常に重要になってくるというわけなのです。
筋トレ後の食事はどのようにとればいいのか
具体的な食事メニューの前に、食事方法の注意点についての紹介です。
筋トレ直後はアミノ酸を補給する
筋トレ直後は血液が筋肉に運ばれており、交感神経も興奮しているため、消化機能が著しく低下しています。
なのですぐに吸収されるアミノ酸(EAAやBCAAといったサプリメント)をまずは補給しましょう。
目安として15g~20g程度がおすすめです。
筋トレの30分後にプロテイン+糖質を摂取
しばらくたって、ある程度消化機能が回復した段階で、今度はプロテインと糖質を摂取するようにします。
糖質も、早く吸収されやすいものが良いので、マルトデキストリン(粉飴)を利用して下さい。
プロテインはお好きなもので大丈夫ですが、吸収効率の良いホエイプロテインがおすすめです。
摂取量の目安は、マルトデキストリン20g+プロテイン20g~40gをお好みで。
筋トレの1時間後に高タンパク・高糖質な食事
そしてプロテインとマルトデキストリンが消化吸収された30分~45分後に、ようやく通常の食事を摂取していきます。
イメージとしては、
筋トレ後にすぐアミノ酸
↓
シャワーをあびて着替えてからプロテイン+マルトデキストリン
↓
家に帰ってから食事
といった流れでしょうか。
ただ、せっかく栄養を補給するのだったら疲労を回復させ、効率よく筋肉が増えるような食事をした方がいいですよね。
その効率の良い食事内容というのが、高タンパク・高糖質な食事になります。
筋トレ後の具体的な食事内容とは
では高タンパク・高糖質な食事とはいったいどんな内容なのか、具体的な食事内容を例に説明してきます。
筋トレ後の食事内容:タンパク質編
筋トレで損傷した筋肉の修復や筋合成に必要なタンパク質源として積極的に摂取した方が良いのは
- サラダチキン、鶏むね肉
- 脂肪の少ない赤身肉
- 刺身や焼き魚(サーモンや青魚だと特に良し)
などが代表的な例です。
基本的には動物性のタンパク質ならOKですが、脂質は極力摂らないようにしましょう。
体脂肪が増える原因にもなることはもちろんですが、他の栄養の消化吸収も妨げてしまいますので。
ただし、魚の脂は別です。
魚の脂に含まれるEPAやDHAは、むしろ脂肪の燃焼を助けるはたらきを持っていますので。
むしろ魚が苦手だったり食べられない日は、積極的にサプリメントから摂取するようにしてください。
ちなみにEPAは、インスリン感受性を高めるはたらきも備えています。
筋トレ後の食事内容:糖質編
糖質は、下記のような食品になります。
- お米
- パスタ
- オートミール
- イモ類
基本的には脂が多く使われているパン類以外であったら、ほとんどの炭水化物系の主食はOKなイメージです。おにぎりや消化吸収を助ける納豆に白米という組み合わせも併せてタンパク質が摂取できるので良いでしょう。
特にオートミールやイモ類は食物繊維が豊富に含まれているので、消化を助けてくれるはたらきが期待できます。
ちなみに、糖質の多い食べ物としてほかに思い浮かぶのは、砂糖が使われた甘いデザート類でしょう。
砂糖は糖質の中でも特に脂肪になりやすい性質をもった糖質なのですが、筋トレ後のインスリン感受性が高まっているタイミングなら別です。
どうしても甘いものが食べたい人は、生クリームやバターなどの脂質が使われていない和菓子類などを、筋トレ後のこのタイミングで食べるようにしましょう。
もちろん、食べ過ぎはNGです。
筋トレ後の食事内容:脂質編
前述のとおり、脂質は他の栄養の吸収を妨げ、脂肪を増やす原因にもなりますので、極力摂取しないように意識しましょう。
ただし、全くとらないとそれはそれで体に悪いので、下記のような良質な脂質を意識して摂るようにしてください。
- 全卵
- オリーブオイル
- ココナッツオイル
- 魚の脂
卵は良質な脂質だけではなく、動物性たんぱく質やその他の栄養素も豊富なので、脂質源として非常におすすめです。
また、肉や魚を焼くときにどうしても使いたい場合はオリーブオイルオイルを少量利用するようにしましょう。
オリーブオイルは酸化しにくい特性を持つ油であり、加熱処理にも耐えられるので、非常に取り扱いやすい油の1つです。
また、ココナッツオイルにはMCT(中鎖脂肪酸)オイルというエネルギーとして消費されやすい脂質が豊富に含まれているので、こちらもおすすめです。
魚の脂については、タンパク質編で説明した通りになります。
筋トレ後の食事内容:野菜編
野菜など、体内で合成されないミネラルの補給も重要です。
サプリメントから栄養をきちんと摂取できているのなら、そこまで気にする必要はありませんが、その中でも比較的おすすめなのは下記になります。ただしサラダを摂る時などは味が薄いからとドレッシングやマヨネーズを掛けすぎて脂質過剰になることがあるので気をつけましょう。
キノコ類
キノコはビタミン・ミネラルが非常に多く含まれている、優秀な食材です。
参考)きのこの成分と効用(林野庁サイト)
豆類
豆類には良質な脂質とタンパク質、カルシウムに加えて食物繊維が含まれているので、大豆を減量とした納豆や豆腐などを一緒に食べるのも良いでしょう。
アボカド
アボカドも同じく、野菜の中では特に良質な脂質が取れる食材です。
青菜類
青菜類は主に食物繊維をとるためですね。食物繊維が不足すると便秘の原因にもなりますので、野菜嫌いの人は上記のビタミン・ミネラルとともに、食物繊維のサプリメントを摂取するようにしましょう。
海藻類
海藻類(あおさ、あおのり、わかめ等)はカルシウムの吸収を助けるマグネシウムがたっぷり含まれています。
さいごに
以上が筋トレ後の食事に関する解説でした。
筋トレ後に適切な栄養を補給する大切さは十分に理解出来たかと思います。
ただし、それらの食事の摂取を毎日きちんと目指すのは結構大変です。
そんな人におすすめなのが、食事の宅配サービス。
特にマッスルデリというサービスはトレーニングする人向けの栄養が、ばっちり考えられた食事内容をサポートしてくれるので非常におすすめです。
ご興味ある方はこちらの記事で詳しく解説してますので、どうぞご覧ください。