「筋トレをする人には和菓子がオススメって聞いたけど本当かな?」
筋トレをしている人は、こんな話を一度は耳にしたことがあるはずです。
しかし、これを鵜呑みにして筋トレ前のエネルギー補給として和菓子を食べる人も多いのですが、実は筋トレ前に和菓子を食べるのはNGなのです。
その理由は血糖値が上昇する点にあります。
以下より、筋トレと和菓子の関係について詳しく解説していきます。
他にも「和菓子を食べるのに最適なタイミング」についても紹介します。
筋トレ前に和菓子を食べるのがNGな理由
では早速、どうして筋トレ前に和菓子を食べてはいけないのか、その理由について解説しましょう。
その理由はずばり、和菓子には砂糖が豊富に含まれているからです。
実は砂糖が豊富に含まれている食べ物を摂取すると、それが消化吸収されることによって、血液中を流れる糖質の量、つまりは血糖値が急上昇することになります。
すると人間の体はその急激に上昇した血糖値を下げるために、すい臓からインスリンという物質を分泌することによって、血糖値を低下させようとするのです。
このインスリンの働きを分かりやすく説明すると、体の各細胞のエネルギー取り込みスイッチをONにするような働きを担っています。
つまりインスリンが分泌されると細胞がエネルギーを取り込む状態へと変化するので、血中に流れる栄養(糖質)がどんどんと取り込まれていき、結果として血糖値が低下するというわけなのです。
が、問題なのがこの血糖値の低下です。
実はインスリンが分泌されて血糖値が低下すると、眠気や気だるさ、空腹感などを引き起こしてしまい、トレーニングに対する集中力を低下させたり、うまくパワーが発揮できない状態へと陥ってしまう場合があるのです。
なので筋トレ前に和菓子を摂取してしまうと、栄養補給云々以前にトレーニングのパフォーマンスが低下してしまうというわけなのです。
これが、筋トレ前に和菓子を食べてはいけない一番の理由です。
もう1つの理由は、単純に胃の中に食べ物が残ってる状態で筋トレをすると、それも筋トレのパフォーマンスを低下させてしまうからです。
ちなみに筋トレ前の食事の是非については、下記の記事でも詳しく解説していますので、そちらもぜひ参照してください。
>>筋トレ前に食事をしてはいけない理由について解説【バナナやゼリー飲料はNGです】
なぜ筋トレする人には和菓子がオススメと言われるのか
筋トレ前の栄養補給として、和菓子を食べるのがNGな理由については理解できたところで、次に生まれるのがこの疑問です。
理由として考えられるのは、スイーツの中でも和菓子の多くは、カロリー中に含まれている脂質の量が少ないから、というのがあります。
ケーキやクッキーなどの洋菓子類には糖質とともに脂質も豊富に含まれているので、脂質制限ダイエット中にはこれらの洋菓子を食べることは基本的にはNGとされています。
>>【PFCバランス】減量期に読むべし!筋トレしながら脂肪だけ落とす正しい食事法を徹底解説!
ですが和菓子には先述の通り、糖質はともかくとして脂質がそんなには含まれていません。
なのでトータル制限カロリーの範囲内であれば、ダイエット中でも食べれるお菓子ということで、和菓子がオススメされるようになったと考えられます。
そしてもう1つ考えられる理由としては、筋トレによって失ったエネルギーを補給するには、手軽に多くの糖質を摂取することが出来る和菓子が最適であると考えられたからだと推測されます。
筋肉を動かすにはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが必要とされるのですが、このATPは筋トレのような無酸素運動化においては主にグルコース(糖質)を材料にして作られるのです。
つまりハードな筋トレを行った後は体は糖質が枯渇した状態に陥るということにもなります。
なので栄養補給として糖質が多く含まれる和菓子を食べるのは確かに理にかなった選択のように感じられるかもしれませんが、実はそうとも限りません。
和菓子の糖質は太りやすい糖質なので要注意
和菓子に含まれている糖質は砂糖、つまりグルコースと果糖の複合物になります。
基本的に体内でエネルギーとして糖質が使われる際は、グルコースの状態にまで分解されている場合がほとんどです。
なので体内で糖質が不足した状態においては、それ以上分解する必要のないグルコースの状態で摂取するというは、即座に使用することが出来るという意味でも非常に理にかなった摂取方法になるのですが、果糖の場合は少々話が異なります。
果糖とはその名の通り、果物や根菜類、はちみつなどに特に豊富に含まれる、糖質の種類の1つです。
果糖もグルコースと同じく単糖類といって、単一の構造で非常にエネルギーとして使われやすい糖質には間違いありません。
しかし、果糖はグルコースとは大きく異なる点があります。
それは、
- 肝臓に運ばれやすいこと
- 脂肪に変わりやすいこと
この2点になります。
つまりかみ砕いて言うと、果糖はグルコースに比べて太りやすい糖質であるということです。
最近のいくつかの研究では、体内で糖質が不足しているか充足しているかは、肝臓に存在する糖質の量が関わってくるとも言われており、その点からも果糖の大量摂取は体重増加の原因になりえるので注意が必要です。
筋トレ後3時間以内なら和菓子を食べてもOK
が、実は、そんな果糖が含まれる和菓子でも、筋トレ後なら一概にNGとは言えないのです。
何故なら、筋トレ後の体は通常時よりも、インスリン感受性が高まった状態へと変わっているからです。
インスリン感受性とは何なのかについても簡単に説明します。
基本的に血中の糖質は、インスリンの働きによって筋肉→肝臓→脂肪の順番に運ばれると言われています。
が、しかし、常に高い状態で体内の糖質がキープされていると、次第にこのインスリンの効きが鈍ってくる、つまりはインスリン抵抗性が高まっていき、例えば筋肉を飛ばして肝臓や脂肪へと直接糖質が運ばれてしまうということがあり得るのです。
その特異な状態の最たる例が、糖尿病であったりもします。
ですが筋トレ後は、筋肉が力を発揮することによって大量の糖質が使われるということもあり、逆にこのインスリン感受性が高まった状態が引き起こされるというわけです。
インスリン感受性が高まった状態であれば、果糖を摂取したとしても比較的脂肪になりにくいタイミングであると言えます(もちろん、食べ過ぎは厳禁ですが)。
ちなみにこのインスリン感受性が高まった状態というのは、筋トレ後約3時間程度は持続すると言われているので、ある意味ではこの3時間がゴールデンタイムと言えるかもしれませんね。
さいごに
以上が筋トレと和菓子の正しい関係についての解説でした。
ちなみに筋トレ前の栄養補給については下記の記事でも解説してますので、そちらもどうぞご参考ください。