筋トレ初心者の方が抱えがちな悩みの1つ、
「減量と増量、どっちから始めるのがいいの?」
この疑問について解説していきます。
結論から言うと、
- 太っている人→減量から
- それ以外の人→増量から
という選択がおすすめです。
なので多くの人は増量から始めた方が良いです。
以下より、詳しく理由を見て行きましょう。
増量から始めた方が良い理由
理由は主に2つです。
- 初心者は筋肉が増えやすいので、増量から始めた方がモチベーションが上がる
- 減量するときも筋肉が増えた分代謝も上がるので痩せやすい
筋肉が増えるとモチベーションが上がる
実は筋肉は、筋トレの年数に応じて特定の期間内で増加する量が変わってくるのです。
筋トレを始めたての初心者の方なら、一年間で最大10kg近く筋肉を増やすことが可能です。
その一方で、トレーニングを4年以上継続している人だと、年間で1kgでも増えたらいい方です。
なので筋トレ初心者の方は、筋肥大のボーナスタイムにいきなり突入できるようなものなので、その期間を減量に割くよりは増量にあてる方が筋肉も増え、体の変化を実感しやすくなります。
筋肉がもりもりついていくと、やっぱりモチベーションも上がりますよね。
減量するときも痩せやすくなる
よく
「筋トレをすると痩せる」
と言いますが、実は筋トレ自体の消費カロリーは大したことありません。
これは、筋トレをすることで筋肉量が増え、代謝が上昇し、結果的に痩せやすい体質になることによって痩せる、という事を指しているのです。
筋肉量が少ない段階でいきなり減量に突入すると、ある段階から体重があまり落ちなくなってきます。
それは元々の代謝が低いからなので、そこから痩せるためにはさらに摂取するカロリーを制限しないといけなくなります。
その点、増量して筋肉量が増えた後は、代謝も上昇しているので比較的楽に減量する事が可能です。
太っている人は減量から始めた方が良い理由
この場合の太っている人の定義は、
- 男性→体脂肪率25%以上
- 女性→体脂肪率35%以上
となります。
おデブと言うよりは、ぽっちゃり体型以上といった感じですね。
そしてこのような人が何故減量から始めた方がいいのかというと、
- 体脂肪率が高いとテストステロンの分泌量が減少するから
- 体脂肪率が高いと栄養が筋肉よりも脂肪に運ばれやすくなるから
という2点の理由が挙げられます。
体脂肪率が高いとテストステロンの分泌量が減少する
テストステロンとは男性ホルモンの1種であり、このテストステロンが多く分泌されていると、体は筋肉がつきやすい状態になります。
しかしこのテストステロンの分泌量が最も高まるのは、体脂肪率が8%~12%の間であると言われています。
この数値より高すぎても低すぎても、テストステロンの分泌量は減少してしまいます。
さらにいうと、体脂肪率が高い状態ではエストロゲンという女性ホルモンの分泌量まで高まります。
太っている男性の人で、胸が女性みたいに肥大化している姿を目にしたことがあるかと思いますが、それはこのエストロゲンによる作用だったりします。
エストロゲンもあまり多くの量が分泌されていると筋肥大しにくくなるので、その点においても、太っている人はまず減量からスタートさせた方が効率が良いのです。
テストステロンを高めるメリットがあるのは、男性の場合に限ります。
女性はむしろ体脂肪率が15%を切ってテストステロンの分泌量が上昇すると、生理が止まったり、骨がもろくなってしまうので要注意です。
基本的に女性は体脂肪率が20%を切るとデメリットの方が多くなるので、低くても20%は割らないように意識しましょう。
体脂肪率が高いと栄養は筋肉ではなく脂肪に運ばれやすくなる
食事などから栄養を摂りこんで血糖値が上昇すると、すい臓からはインスリンという物質が放出されます。
このインスリンは、摂り込んで分解された栄養を全身に運ぶ役割を担っているのですが、正常な状態だと筋肉→肝臓→脂肪の順番で栄養を運んでいきます。
しかし、体脂肪率が高いと体の各部位のインスリン抵抗性が高まり、結果として、栄養が脂肪になりやすくなってしまうのです。
ちなみにですが、このインスリン感受性が高まるタイミング、つまりは筋肉に栄養が運ばれやすい状態というのが、朝起きてすぐのタイミングと、筋トレをしたあとのタイミングであったりします。
だからこそ、トレーニング後の栄養摂取というのが非常に重要視されているのですね。
その他の減量・増量のどっちから始めた方がいいのかの基準について
大まかな分け方は体脂肪率が25%(女性の場合は35%)以上かどうかという点ですが、実は筋トレをする目的によっても判断の基準は異なってきます。
- どんな体型を目指すのか
- ボディメイク目的なのか、パフォーマンスUP目的なのか
主にはこの2つです。
目指す体型で減量・増量のどっちから始めるかを決める
脂肪も筋肉も必要以上につけない、いわゆる細マッチョ体型が最終的な理想であるなら、増量よりも減量から始めた方がいいです。
逆に「とにかくデカい体を目指したい!」って人は、太り過ぎている人以外は増量から始めた方が手っ取り早いです。
もちろん、最初は細マッチョを目指していたけど筋肉を増やす喜びに目覚め、途中から方向転換をすることは十分可能なので、現段階での目標から分ければいいのです。
パフォーマンスUPのための筋トレの場合
スポーツや格闘技のパフォーマンスUPのための筋トレは、むしろ脂肪を落とし過ぎるとそれがパフォーマンスの低下につながる恐れもあります。
なので過度な脂肪をつけてはいけませんが、たいていの場合は増量しながら筋トレをすることをおすすめします。
特に脂肪が適度に増えると、関節回りを脂肪が保護してくれる働きも期待できるので、ケガの防止にも繋がります。
減量・増量はどのようなサイクルで行うべきか
当然ですが、ずっと減量か増量のどちらかだけを行っていては、なかなか理想とする体には近づけません。
大事なのはこの2つをサイクルさせる事です。
そのサイクルの周期には様々なやり方がありますが、半年~1年以上のスパンが取れる場合は
- 増量:減量=3:2の周期でサイクルさせる
これが一番おすすめのやり方です。
増量:減量=3:2の周期
例えば、6週間増量にあてたのち、4週間かけて減量していく。
といったやり方になります。
増量の期間の方が長いのは、増量時は脂肪と筋肉の両方が増えますが、減量時はなるべく筋肉を残したまま脂肪だけを落とすようにするので、結果として減量の方が短い期間で済むからです。
増量のやり方
ちなみに増量のやり方には、とにかく好きなものを消費カロリー以上に食べまくるダーティーバルクと、なるべく脂質を減らし、タンパク質と糖質からカロリーを摂取するようにするクリーンバルクの2つのやり方が存在します。
クリーンバルクを行うと、増加する脂肪の量を抑える事が出来るので、結果として後々の減量が非常に楽になります。
クリーンバルクの基本は、消費カロリーの+500kcalです。
この程度のカロリーを摂取し続ければ、筋肉も良い感じに増えて行きます。
減量のやり方
減量のやり方は脂質制限(ローファット)と糖質制限(ケトジェニック)の2種類のやり方があります。
減量中も筋トレを行う人はケトジェニックダイエットの方がおすすめです。
なぜならケトジェニックダイエットだと、トレーニングのパフォーマンスが低下しにくいというメリットがあるからです。
ただ、決して脂質制限が劣っているということはなく、停滞期打破のためにもこの2つを交互に実施する方法なんかもおすすめしております。
さいごに
基本的には、極端な小食の人以外は増量よりも減量のほうがキツイです。
なので初心者の段階で筋トレと減量、両方ともを頑張ろうとしてどっちつかずになってしまう場合というのも少なくはありません。
そういった意味でも、筋トレだけに集中できるように、初心者の方はまずは増量からスタートさせるというやり方が一番無難です。