早くて2025年に、世界的なタンパク質不足が顕在化すると言われているのを知っていますか?
筋トレをたしなむトレーニーとは切っても切れない関係であるタンパク質。
もしかしたら、プロテインなどで今ほど手軽にタンパク質を摂取出来なくなる時代が来てしまうかもしれません。
そんな皆さんに知っておいてもらいたいのが、数々の代替タンパク質の存在です。
今回はその中でもある意味身近で、そしてインパクトが特に強いであろう「昆虫食」について解説していきます。
昆虫食の素晴らしいところは、
- 少ない資源で飼育する事が出来る
- 従来の肉よりも効率的にタンパク質を摂取できる
- 実際に、様々な企業が製品化に成功している
と、様々です。
以下より詳しく見て行きましょう。
2025年に世界でタンパク質不足が起こる!?
なぜタンパク質が不足してしまうのでしょうか。
日本では少子高齢化に伴う人口減少が取りざたされて久しいですが、世界的にみれば人口は毎年約8300万人のペースで増加していっています。
それに伴い当然ですが、牛・豚・鶏肉の消費量も増加していくわけですが、この増えた需要に対応できるだけの肉を生産するのは、どんどん難しくなっていきます。
あまり意識したことがないかもしれませんが、牛肉1kgを生産するのに必要な穀物はおよそ11kgと言われています。
そしてその穀物を育てる分と牛自体を飼育するために大量の水も必要となり、さらには飼育するには当然も土地です。
既存の遊休地を活用できるのならまだ良いのですが、そうでなければ森林を開拓して、あらたな土地を切り開いていくことになるでしょう。
、、、といった具合に、実は様々な問題が肉食の背景には存在しているのです。
昆虫は極めてエコなタンパク質源
そこで注目されているのが昆虫です。
タンパク質源として昆虫を利用するメリットとしては、
- 昆虫は牛の4分の1以下の穀物で育てることが出来る
- 大量の水や土地を飼育する際に必要としない
- エサも人間や家畜の余りを利用することが出来る
- タンパク質の含有量が6割と非常に豊富(牛・豚・鶏は約2割)
と様々あります。
この点から、環境に負荷をかけずに摂取する事ができる「エコロジーなタンパク質源」として、昆虫が今注目されているのです。
昆虫はアミノ酸スコアも優秀
筋トレをする人にとって重要なのが、タンパク質のアミノ酸スコアですよね。
アミノ酸スコアとはそのタンパク質に必須アミノ酸がどれくらい含まれているかを表す数値であり、基本的にアミノ酸スコアが100に満たないタンパク質では、どれだけ摂取しても筋肉は作られません。
しかし、昆虫の種類にもよりますが、代表的なコオロギのアミノ酸スコアは「100」なので、トレーニーの観点から言っても優秀なタンパク質源と言えます。
まあ、昆虫も動物性たんぱく質の一種なので、当然といえば当然かもしれませんが。
他にも、魚と同じようにオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていたり、ミネラルや食物繊維が豊富であったりと、ミクロ栄養素の観点でいっても非常に優れています。
コオロギのプロテインバーも商品化されている
と、いろいろなメリットを紹介してきましたが、
「昆虫食ってゲテモノでしょ?正直それはちょっと、、、」
ってな人がほとんどでしょう。
ですが安心して下さい。
企業側もそのことは織り込み済みで、現在商品化されているものの多くは、元の形状が分からないように加工されているものがほとんどです。
例えば「BugMo」という京都にある昆虫食メーカーが販売しているこちらのプロテインバー。
材料の一部にクリケットパウダー、つまりはコオロギの粉末が使用されています。
もっともメジャーな加工方法としては、すり潰して粉末状にして、小麦粉などと混ぜて料理するという手法です。
他にもクッキーやせんべい、パンなどに加工した商品も実在しています。
そして気になるお味の方ですが、上記のBugMoのクリケットパウダーの場合は、香ばしいきな粉の様な風味が楽しめるとの事です。
基本的に昆虫の種類と、その昆虫を飼育する際に与えたエサによって味わいは大きく変わるそうですが、コオロギの場合は甲殻類の1種ということもあり、一般的にはエビのような風味がすると言われています。
”昆虫食”ベンチャー企業
ではここからは、国内外問わず様々な昆虫食ベンチャー企業をご紹介していきます。
昆虫食ベンチャー①:BugMo
先ほども少しご紹介した、2018年に京都で設立された昆虫食ベンチャー企業になります。
コオロギをパウダー状に加工したプロテインバーが主商品です。
オシャレなパッケージデザインを用いて、昆虫食に対する抵抗感を薄れさせようという狙いが伝わってきますね。
このプロテインバー一本あたりコオロギ50匹分の粉末が使われているそうです。
ただ、一本あたりのプロテイン含有量は5gと少な目なので、トレーニーからするとちょっと物足りないかもしれません。
公式HP:https://bugmo.jp/
昆虫食ベンチャー②:大学シーズ研究所
こちらは徳島に存在する、徳島大学発の産学連携ベンチャー企業です。
世界的な課題となっている食糧危機を解決すべく、様々な研究を日々行っており、その1つとして、コオロギの粉末を使用したチョコレート風味のコオロギパンを製造・販売しています。
ちなみにこのパンは、Amazonから購入することも可能です。
興味がある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
缶詰めに入っているので、普通に災害に備えた備蓄食料として使用する事もできますよ。
公式HP:https://daigaku-seeds.com/
昆虫食ベンチャー③:エリー
京都大学発のベンチャーとしてスタートした、こちらの「エリー」。
最大の特徴はカイコの食用化に挑戦している点です。
その名も「シルクフード」。
なんだかカッコいい名前ですね。
カイコのサナギをフリーズドライして粉末状に加工するそうで、スープや代用肉としても利用できるとのこと。
おそらくまだ製品化にまでは至ってなさそうですが、今後の躍進に期待です。
公式HP:https://www.ellieinc.co.jp
昆虫食ベンチャー④: Hargol FoodTech
最後にご紹介するこちらの企業は、イスラエルの会社になります。
基本的に昆虫食に関する研究は、日本よりも海外の方が喫緊の課題という事もあり、さかんに行われています。
この企業の特徴は、昆虫食ベンチャーとしては珍しくバッタを素材としている点です。
バッタもコオロギと同じように草食性なので、少ない穀物で飼育が可能です。
ここのメーカーは「バッタプロテイン」を製造・販売しているので、トレーニーにはいろんな意味で注目の会社ですね。
ちなみにこちらの会社の食品は世界で唯一、イスラム教などで食用として許されるハラルフードとして認証を受けていたりもします。
公式HP:https://hargol.com/
さいごに
いかがだったでしょうか?
もしかしたら将来は「ホエイプロテイン」よりも「クリケットプロテイン」の方が主流になったりするかもしれませんよ。
実際、まだまだ研究分野でも未成熟の領域なので、これから筋肥大により効果的な種が発見されるなんてことも十分あり得ます。
1つの選択肢として、今の内から頭のどこかに留めておくのもいいでしょう。