「筋トレをし終わったあとに吐き気が襲ってくることがあるんだけどなんでだろう?原因と対処法を知りたい」
今回はそんな筋トレする方が抱えるお悩みについて解説していきます。
筋トレをしている最中に吐き気を催す原因としては、主にこの2点が考えられます。
- 食べた物が胃の中に残っているから
- 迷走神経反射によって低血圧症状が引き起こされたから
この現象は筋トレに限らず、下半身を使った運動(ランニングなど)をする際にもよく見られます。
筋トレの場合は、スクワットやデッドリフトなどの種目を行う場合が多いですね。
酷いときは、めまいや頭痛などの、その他の症状を伴うなんてこともあります。
以下より、さらに詳しい原因の解説と、吐き気が襲ってきた際の対処法も合わせて見て行きましょう。
筋トレ中に吐き気が襲ってくる理由とは
先ほども少し触れましたが、主な原因はこの2つです。
- 食べた物が胃の中に残っているから
- 迷走神経反射によって低血圧症状が引き起こされたから
吐き気の原因①:筋トレ前の食事
これは筋トレ始めたての初心者の方あるあるなのですが、筋トレをする際にお腹の中に食べ物が残っている状態というのは基本的にNGです。
筋トレをしている最中、体の中の血液は筋肉へと運ばれています。
すると当然ですが、その他の部位、この場合は胃へと運ばれる血液は減少してしまうので、それに伴い、胃の働きも低下して、消化不良の状態に陥ってしまうのです。
そしてスクワットやデッドリフトなどの種目を行う際は、お腹に力を入れて腹圧を強くかける必要があるのですが、その腹圧によって胃が圧迫され内容物が逆流してしまい、吐き気を催してしまうという訳です。
なので、胃の内容物が消化しきるまで約3時間はかかると言われていますので、筋トレ前の3時間以内は出来るだけ固形物を摂取しないように意識しましょう。
筋トレ前の食事がNGな理由については筋トレ前に食事をしてはいけない理由について解説【バナナやゼリー飲料はNGです】という記事でもより詳しく解説しておりますので、興味がある方はそちらもご覧ください。
吐き気の原因②:迷走神経反射による低血圧症状
2つ目の原因がこちらになります。
そもそも迷走神経とは何かというと、これは副交感神経の代表的な1つであり、心臓や胃腸、消化腺などの非常に幅広い部位の運動に関わる神経となります。
筋トレ中は筋肉が力を発揮する為に収縮活動を行っているのですが、その収縮されて硬くなった筋肉により、血管が強く圧迫されて、筋肉に血液が運ばれなくなってしまいます。
しかし、筋肉の収縮が収まった筋トレ後は、今度は逆に反応性充血という現象が起こり、筋肉内の毛細血管が一斉に広がって、大量の血液が筋肉へと流れ込んでいきます。
反応性充血とは、圧迫された部位が解放されたのちに、血液が流れ込んで赤く充血したように見える現象のことを言います。
体の一部を強くつねった後、その部位が赤くなるのがこれです。
そして、原因①でも触れたように、大量の血液が筋肉に運ばれるということは、その他の部位では血液が不足してしまうということでもあります。
特に脳へと運ばれる血液が減少してしまうということは、 血液によって脳へと運ばれる酸素が不足することを意味します。
脳は酸欠状態に陥ると、生命の危機を感じて迷走神経反射という現象が起こります。
迷走神経反射によって心拍が抑制されて、なおかつ血管が拡張されてしまうので、体は急激な低血圧状態へと陥ってしまうのです。
その低血圧症状によって、吐き気がしたり、ひどい場合は頭痛や寒気、顔面蒼白などの状態を引き起こしてしまうと言われています。
ちなみに筋トレを始めとする運動中は、副交感神経と対となる交感神経が活性化しているのですが、運動後は逆に副交感神経の方が活性化します。
そして副交感神経の1つである迷走神経はあまり反応が早くないので、この迷走神経反射よる低血圧症状というのは、筋トレの最中というよりは筋トレのセット間のインターバル中に起こることの方が多いです。
スクワットなどの脚トレ種目で特に多い
原因②のトリガーとなるのは、脳へと運ばれる血液の減少です。
なので、スクワットなどの下半身の筋肉を使った筋トレ種目を行う際に、迷走神経反射による吐き気はよく起こります。
下半身の筋肉に血液が集中する分、上半身の血液が不足してしまうからですね。
ちなみに、スクワットの最中は逆に上半身に血液が集中しているので、スクワットをしている時に顔が真っ赤になるのはそのせいだったりします。
筋トレ中の吐き気への対処方法
原因①の場合は対策方法があるので簡単ですね。
筋トレ前3時間以内は食べ物を摂取しないようにするだけでOKです。
問題は原因②です。
迷走神経反射による吐き気の場合、筋トレをして追い込む際には避けては通れないところがあるからです。
根本的な対策法としては、脚トレ種目をしないことになってしまいますが、そうはいきませんよね。
一応、筋トレの最中に意識して呼吸をするようにすれば、発生リスクをいくらか低下させることは出来ます。
が、下半身の筋肉が発達していればしているだけ、そこにとられる血液の量は増加するので、筋トレ中級者~上級者にとっては、吐き気が襲ってくるリスクを覚悟して脚トレ種目を行うしかありませんね。
ただし、吐き気が襲ってきた後に素早く回復するための対処方法というのは存在します。
それは、足を高くした状態で横になることです。
横になればそれだけ血液の循環はスムーズになりますし、足を高くすることで下半身に集中していた血液が自然と降りてきてくれます。
なので急激な吐き気に襲われた場合は無理せず横になって安静にするようにしましょう。
さいごに
以上が筋トレ中に吐き気が襲ってくる原因とその対処方法についての解説でした。
たまにトップボディビルダーのトレーニング動画で、吐くほど追い込んでいる動画というのを見かけますが、あれは逆を言うと、筋トレ上級者だからこそ吐くまで追い込めているとも言えます。
初心者の場合は、脳が酸欠状態に陥るほど下半身の筋肉が発達していませんからね。
かといってあそこまで無理をする必要はありませんので、上手に体調を整えつつ、効率よく筋肉を追い込んだトレーニングを心がけましょう。