筋トレを始めたばかりの人は、様々な悩みを抱えながらトレーニングを行っている事と思います。
その中でも今回は、1回あたりの筋トレにかける時間についてのお話です。
感覚的には、長時間筋トレを行った方が筋肉がたくさん付きそうですよね。
結論から言うと、1回あたりの筋トレ時間は60分以内がベストです。
どれだけ長くても90分以内には収めるようにしましょう。
以下より、その理由について解説していきます。
長時間の筋トレはむしろ筋肉に悪影響をおよぼす
現時点での主流な考え方としては、筋トレは長時間かけて行うべきではないとされています。
それは何故かというと、90分以上のトレーニングだとストレスホルモンの1種であるコルチゾールの分泌量が上昇するからです。
コルチゾールは筋肉を分解し、脂肪を増やす
このコルチゾールというストレスホルモンは、筋トレする人にとっては仇敵みたいな存在です。
何故なら、コルチゾールの分泌量が上昇すると、体内に今ある筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとするため、筋トレで得られる効果を減らしてしまいます。
それどころか、コルチゾールは脂肪を蓄えやすくする性質も持ち合わせているので、ボディメイクという観点からみても、コルチゾールの過剰分泌はマイナスの効果しかもたらしません。
だからこそ、コルチゾールの分泌量が増加する90分以上のトレーニングは推奨されないのです。
長時間のトレーニングでは集中力も続かない
人間の集中力が持続する時間というのは、平均で1時間前後、長くても90分が限界とされています。
集中力の低下が筋トレのパフォーマンスも低下するのは想像出来ますよね?
単純に、集中力を欠いた状態で行うとケガのリスクも高まりますので、そういった意味でもオススメできません。
筋肉のどの部位に刺激が入っているのか意識しながらトレーニングを行う事が、筋トレの効果を上げるためには非常に重要な観点です。
短い時間でも高い筋トレ効果を得る事は可能
長時間のトレーニングにはデメリットが多いという事が分かったところで、では次に起こる疑問は、
「短いトレーニングじゃ筋肉があまりつかないんじゃないの?」
といったところではないでしょうか。
これも結論から言うと、短時間の筋トレでも十分筋肥大します。
筋肉が大きくなるには総負荷重量が重要
総負荷重量とは、簡単にいうと「そのトレーニング中、合計どのくらいの重さを扱ったか」の事を指します。
例えばベンチプレスを80kgで10回、それを合計3セット行った場合の総負荷重量は、
80kg×10回×3セット=2,400kg
となります。
極論を言うと、この総負荷重量が同じトレーニングなら、違う重量、違う回数でも同じトレーニング効果を生むという事でもあります。
先ほどのベンチプレスの例で言うと、40kgの重量で12回、それを合計5セット行った場合の総負荷重量は
40kg×12回×5セット=2,400kg
となりますので、重量も、一回あたりの回数もセット数も何もかも異なりますが、筋肉に与える影響はどちらもほぼ変わらないのです。
高重量×低回数が時短のポイント
先ほどのベンチプレス80kgと40kgの例を再び出しますが、この2つのトレーニングにかかる時間は、どちらの方が長いと思いますか?
答えはもちろん、40kgの場合です。
何故なら1セットあたりの回数も、合計のセット数も40kgの方が多いので、どうしてもトレーニングにかかる時間は長くなってしまいます。
それはつまり、逆に言えばトレーニング時間を短縮したかったら、1セットあたりの回数と合計セット数を減らしてしまえばいいということでもあります。
なので筋トレにおける時短のポイントは、総負荷重量を意識しながら、高重量×低回数でセットを組むことになります。
ここでいう高重量とは、ぎりぎり5~6回くらいは扱える重量の事を指し、その重量でまさに限界の5~6回を繰り返すということになります。
ですがその分、セット間のインターバルは2~3分と少し長めに取るようにして、1回にかける集中力を高めるように意識しましょう。
限界まで追い込まない方が筋トレの効果が上がる場合もある
筋トレのペースはよく週2~3回がベストであると言われますよね。
それはなぜかというと、1回あたりの筋トレで得られる効果には限界があり、さらには体がキチンと回復した状態で行う方が効率良く筋肉がつくからです。
分かりやすく数値を使って説明します。
例えば1回あたりのトレーニングで得られる筋トレの効果の限界を100とします。
その上で
【Aさん】
1回あたりのトレーニングで120の効果を得ようとハードなトレーニングを週2回行っている
【Bさん】
1回あたりのトレーニングは60程度でいいと考えており、そのかわり週5回トレーニングを行っている
という2人の人物がいたとします。
それぞれトレーニング時は毎回100%体力が回復した状態で行っているものと仮定して、1週間のトレーニングで得られる成果を比較すると、
- Aさん→100×2=200
- Bさん→60×5=300
となり、結果的に毎回そこそこのトレーニングしか行っていないBさんの方が、より効率よく筋肉をつけることが出来るのです。
もちろん、これは机上の空論みたいなものであり、100とか60を狙って出せないので、現実的には難しいかもしれません。
ただ理解しておいてもらいたいのは、疲労困憊になるまで追い込むことが、筋トレにおける唯一の正解ではないということです。
さいごに
以上が、1回あたりの筋トレ時間に関する解説でした。
コルチゾールのお話の中でも出ましたが、実は筋肉の分解というのは長時間のトレーニングだけではなく、短時間のトレーニングでも起こりえることだったりします。
それを防ぐ為にはトレーニング中にEAAと呼ばれるサプリメントを15gほど水に溶かして飲むと良いです。
EAAは筋肉の材料になるアミノ酸なので、トレーニング中にばんばん材料となる栄養を送りこむのが狙いです。
皆さんも正しい筋トレで効率よく筋肉をつけて行きましょう。
アレンジするのは上級者になってからで十分です。